こんにちは、まさぽんです。
今回は「医療通訳士」という職業に関する特集をします。
医療通訳には正式な国家資格がないため、様々な民間団体がそれぞれの通訳関連の資格を作っていましたが、2019年に医療通訳の認証を統一化するために、厚生労働省と国際臨床医学会(ICM)が医療通訳に必要なカリキュラムを作成し、資格として「医療通訳士®」というものが定められました。
医療通訳の資格があり過ぎてどれを受ければいいか分かりません。
正直どれも似たような感じだけど、試験形式とか細かい部分で違いはあるよ。
このICM認定とやらも国家資格ではないし、数ある医療通訳のうちの1つに過ぎないんですよね?全然統一できてないじゃないですか。
試験自体は統一されていないけど、認証機関としてはここが唯一なのです。詳しくは後ほど。
というわけで、行ってみましょう。
▶ 国際臨床医学界(ICM)認定「医療通訳士®」認定制度について
会社名 | 国際臨床医学会事務局 |
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代表者 | 澤 芳樹(代表理事) |
所在地 | 〒560-0082 大阪府豊中市新千里東町1-4-2 千里ライフサイエンスセンター9F (一社)臨床医工情報学コンソーシアム関西 |
お問い合わせ | TEL:06-6310-0156 FAX:06-6310-0158 hci@kokusairinshouigaku.jp |
この記事がオススメな人
- 医療通訳士に興味がある人
- 医療通訳士の年収や需要、仕事内容などを知りたい人
- ICM認定の医療通訳士の試験制度が気になる人
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医療通訳士は医療×通訳という難易度の高い職業ですが、基礎から適切なトレーニングを積むことで、確実に実力を身に付けることができます。
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もくじ
医療通訳士とは(定義)
医療通訳士は、医療現場で患者と医師、看護師、医療スタッフなどとのコミュニケーションを円滑に行うために活動する専門家です。
言語の壁や文化の違いがある中で、患者が適切な医療ケアを受けるためには、専門的な通訳が必要となることがありますが、その際に活躍するのが医療通訳士の方々ですね。
医療通訳には英語や中国語などが使われますが、非常に高い言語スキルに加え、医療分野の専門知識(英単語など)を押さえておく必要が生じます。
また、患者のプライバシーを守る義務があるため、個人情報や医療記録の漏洩が生じないよう、注意深さは不可欠となります。
近年ではテレヘルス(遠隔医療)の普及により、ビデオ通話を通じて医療通訳を提供する機会も増えています。
厚生労働省の定義
医療通訳者は、日本語が母国語でない、若しくは日本語でのコミュニケーションに制限がある患者等に対して、日本語での医療・保健を安全かつ安心して提供するために、通訳技能と医学知識を用いて相互理解を支援する専門職と考えられる。
というのが厚生労働省の「医療通訳者」の定義です。
小さな医療機関などでは、海外経験のある友人などに通訳を依頼するパターンも多いようですが、本来の医療通訳者は医療・語学に関する知識を持ち、専門的なトレーニングを受けて資格を取った人のことを指します。
ただし、医療通訳の資格に国家資格はなく、また認証機関も多岐に渡っているため、「医療通訳といえばコレ」といった証明はないのが実態です。
人数
厚生労働省の2017年の調査によれば、医療通訳として登録されている人数の合計は約2,400名です。
ただし、これらの数字の多くは事務職員や医師との兼任であり、専業で医療通訳をしているパターンは少ないようです。
外国人患者の受入れ実績があった医療機関のうち、日本語でのコミュニケーションが難しい患者を受け入れたのは65.3%で、患者に対して「英語」で対応した医療機関が56.8%で最も割合が高く、次いで中国語が26.6%、日本語が26.0%というデータがあります。
マイナーな言語の場合、地域ごとに医療通訳の需要も異なるため、英語や中国語と兼任でスポット的に医療通訳をする人がメインだと推測できます。
日本は中国人観光客が一番多いイメージがありますが、なんだかんだ英語対応をしているんですね。
日本語は無理だけど英語ならいけるって非ネイティブ外国人も多いからね。
右のグラフの26.4%の日本語対応の部分が、医療通訳士の伸びしろということでしょうか。
そうとも限らない。小さな医療機関だと、通訳を雇う余裕がなかったりするし。
引用:厚生労働省
求められる英語力
医療通訳士には、中国語や韓国語で仕事をする人もいますが、多くは英語で通訳がなされます。
対象となる医療通訳試験を突破し、さらにそこから3コマの「ICM認定医療通訳士講習会」を受け、申請の後にようやく「医療通訳士®」として認定がされるということです。
対象となる試験は以下のいずれかです。
◆ 一般財団法人 日本医療教育財団「医療通訳技能認定試験」
◆ 一般社団法人 通訳品質評議会「一般通訳検定試験 上級【医療】」
◆ 一般社団法人 日本医療通訳協会「医療通訳技能検定試験」
あ~、なんかやたら試験が色々あると思ったら、それらをICMが統合した形なんですね。でもこの機関は果たして必要なんですか?単に講習を受けさせてハンコを押すだけの団体じゃないですか。
そこは大人の事情ということ。医療機関によっては、この認証がなければ通訳を受け入れない可能性だってあるわけだし。
引用:第3回ICM認定医療通訳士医療通訳試験合格者認定申請要項
看護師・薬剤師にも必要か
医療通訳士としての資格を持っていても、専業で仕事をしている人の割合は少ないと推測されます。
それゆえ看護師や薬剤師の方が医療通訳として兼業をすれば、医療現場内で替えが効かない人材となり、希少価値が高まります。
身体の器官名や疾患、病名や薬の効果などに精通しているので、1から医療通訳を勉強する人よりも、看護師・薬剤師の方がだいぶ有利です。
ただし看護師・薬剤師の方が英語スキルをアピールしたいなら、医療通訳士の資格を取るよりも、医英検やCBMSなどを受験した方が本業に徹している感は出ますね。
医療通訳の試験合格者は数が少なく、マイナーな試験のためアピールしづらい面もあり、何を専業として働くかによっても選択は分かれるでしょう。
資格が多ければ多いほど良い訳ではないんですね。
資格マニアってどのジャンルでも潰しが効くから、逆に採用を弾かれる可能性があるのよ。良い人材にはできるだけ長く1つの場所で働いてもらいたいのが雇う側の本音だろうし。
1つの分野にコミットしてる感をいかに出すかがマッチングのコツですね。
医療通訳興味あるって言ったら、
「ああ、ただ隣に座ってるだけの仕事でしょ」とか言われて腹たった😡👊看護師以外の職業に価値ないって言ってくるし、もうはぁ?って感じ。
この私担当の先生と3年目の付き合いなんだけど、別の先生に変えてほしい。
これって、大学に言ったら変えてくれるのかな?— 나나☺︎ (@nana60717418384) August 22, 2023
医療通訳士の資格を取り
英語学習を毎日しておりますが、
知らない言葉、知らない表現、
先が見えずに落ち込みそうになります。
でも、最強の医療通訳士になる!
という目標に向かい、
英語も頑張って勉強し続けます😊 https://t.co/swQRFEvDCb— mao (@mao92383663) March 16, 2022
【ご報告】
半年以内に医療通訳国際資格取得します!
どこの国行っても持ち歩ける×医療バックグラウンド×英語××…
としていたらここに居たりました。
子どものわくわく、悔し涙、達成した時の手放しで喜ぶ姿が眩しくて。
私ももっとキラキラしたい。
がんばります。— 🐈⬛ (@naomin_us) February 24, 2021
実は英語をお仕事としてる人とランチしたんだけど
医療通訳の資格取る時に糖尿病のtype1とtype2について資格の勉強をして
初めて自分の認識と違うことを学んだって言ってたのです
外国の方が糖尿病の知識は正確ってよく聴くけど、本当なんだなと…写真はランチで飲んだサービスプロテイン(謎) pic.twitter.com/OmX0oMUabn
— かねღʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ❊ (@un73_t1d) June 18, 2023
昨日会ってた友達は、医療通訳の資格を取ったと言ってた。医療系の英語なんて難しいだろうに、学校へ行って勉強したそうだ。昔からひっそりとコツコツ勉強する努力家で、全然変わらないなぁと感心&尊敬した。3年後にはトルコに留学するとも言ってた。向学心に年齢は関係無い。
— Green Pepper (@r2d2c3poacco) May 1, 2022
医療通訳の資格を取るかどうか…You tube見てるんだけど、難しいなぁ〜
言ってることはもちろん分かるけど、頭の切り替えができない🤯
これ、練習でできるようになるの⁉︎— Hana (@matcha94942438) May 13, 2022
医療通訳士の資格を目指そうと思います☺️🏥日々両親の病院付き添いをしていて、日本人であってもあれほどにも心細く感じる通院👩🦯、言葉の壁が外国人の方にとってはどんなに分厚いかと想像すると🤔💦もし少しでもその不安を取り除くお手伝いが出来るようになれたら幸せだなぁと思うようになりました。 pic.twitter.com/WhSU7tQVE4
— miso★soup (@soupmisosoup) September 14, 2022
医療通訳士の収入・年収について
医療通訳士の需要は、外国人人口の多い場所(東京など)に求人が集中しています。
また、小規模の病院よりも大病院の方が使える予算が大きいため、医療通訳を依頼する機会が多いと言えます。
給料はバラバラ
求人情報サイト「求人ボックス」によれば、医療通訳の給料は、平均月給で29.9万円(2023年8月時点)です。
ただし、求人な内容は固定給だけではなく、派遣として時給5,000円の通訳を週2回だけ募集していたり、看護師や医療事務との兼任で医療通訳スキルを求めているものも多く見られます。
また、通訳者としての資格を得ても、単に英語スキルの証明目的だったり、仕事に英語力を活かしていないパターンも多いので、平均収入が実態とはかけ離れている可能性が高いです。
医療通訳とは違いますが、「通訳案内士」の資格保持者の54.5%が年間稼働日数30日以下で、専業で働く人は全体のわずか10.2%というデータもあるので、医療通訳者も専業で仕事をしている人は少ないと推測できます。
通訳と翻訳の兼任や、医療通訳コーディネーターとしての求人も多いため、「純粋な医療通訳者の年収は〇〇〇万円です」とは断言できませんが、平均的には300~500万円程度であり、スキルと稼働率が高いほど稼げる仕事の一つですね。
もちろんフリーランスで仕事を多く取ってこれれば、努力次第で年収1,000万円以上の通訳者になれる可能性は十分にあります。
が、通訳案内業による年収は、全体の62.2%が100万円未満であることも事実です。
ただ受け身で英語の勉強をしてきただけの人には厳しい道だということですね。
安定の道を選びたいなら企業内通訳から始めてキャリアを積んで行けるけど、いきなりフリーランスだと信頼を得るのは難しい。だから今回のICMのような認証が必要になったりする。
機関は認証を提供するだけで、仕事の保証はしてくれないんですよね?労働者の弱みにつけこんでませんか?
表立って保証しちゃうと、人間性や倫理観に問題のある人にも仕事を与えなきゃならないから、そのあたりを柔軟に対応できるように、あえてぼかしてるだけだと思うよ。
また、求められる言語は英語が最も多く、中国語やその他言語だと希少なので単価は上がりますが、需要も少ないので単発勤務が多く、安定した収入にはつながりにくいようです。
引用:通訳案内士就業実態等調査事業(国土交通省)
最初はバイトから始めるのも手
医療通訳には複数の種類の試験があり、試験に合格するまではいったん医療事務や国際医療コーディネーターなどのバイトをしながら勉強を続けるという道もあります。
医療系の知識は専門的かつ複雑で、あらかじめ実際の現場を知っておき、よく使われる用語などを把握しておいた方が有利に働くことは間違いないでしょう。
英語能力自体はTOEIC600点代後半から挑戦できますが、通訳者としての実務能力があることはもちろん、厚生労働省の医療通訳ガイドラインを一通り把握している必要があります。
1から勉強を始め、医療通訳者になるのは、決して簡単な道ではありません。
が、努力によって壁を乗り越え、通常の医療通訳者とはまた異なる視点を得られれば、それ自体が大きな強みとなります。
深夜の救命病棟で医療事務の派遣アルバイトなどの案件があれば、現場の雰囲気はある程度掴めるでしょう。
まとめ
今回は、医療業界で重要な役割を担う「医療通訳士(ICM認定)」の詳細について、難易度や求人情報などを紹介しました。
医療通訳士になるには専門知識に加えてハイレベルな英語力が必要であり、TOEICなどで高得点を事前に弾き出せる受験者の方が有利です。
もし英語力に自信がなければ、中学~高校範囲の英語学習を一通りやり直すところから始めてみるのが良いと思います。
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では、最後までお読みいただき、ありがとうございました。