「これからは人工知能が発達するから、
言葉はすべて機械が訳してくれるぜ!」
「もう英語は勉強しなくていい!
英語なんか真面目にやってるやつはアホだぜ!」
…と、ドヤ顔で言いたがる風潮が、
世間にはあったりしますね。
えー、最初にハッキリと述べておきますが、
こんなバカげた主張を、
あなたは鵜呑みにしてはいけません。
これはどこかの英語嫌いがでっち上げた
「大嘘」だということを
僕はこの記事を通じてお伝えします。
今回の記事を読むことで、
あなたはまた一歩、
世界の真実に近づくことができるでしょう。
当然、英会話学習へのモチベーションも
これまで以上に高まることとなり、
世界で活躍するための力をつけられるはずです。
機械翻訳って実際どうよ?
僕もこれまで、色々な人から、
「今後は機械翻訳が発達する」系の
噂話を耳にしたことがありますが…
彼らが言うには、
機械翻訳の精度は年々高まっているらしく、
このまま順調にいけば、
人類はもはや語学を勉強しなくても
世界中で生きていけるそうなんですね(笑)
実際に、Skypeなどでも
英語を日本語に変えてくれるサービスが
既に始まっていたりしますし、
試しに日本語を吹き込んでみると、
それを即座に英語に変えてくれるという
外国人観光客向けの翻訳機械が
2万円くらいで売っていたりします。
おそらく「語学の勉強はもういらない」派の
主張をする人々は、
こうした機械を例に挙げているのでしょう。
実際に翻訳機のプロモーション動画を見ると、
さもその機械を一台持っていれば、
すべての言葉を翻訳してくれるかのように
思えてきます…。
し か し
賢明なあなたは、
騙されてはいけませんよ。
世の中の人々が喋った言葉が
片っ端から英語に翻訳されるなんて
実際はありえないのです。
しかもそれは、文の難易度が高くなるほど
それに応じて翻訳の正確性は低くなります。
いま世間で流行っているのは
「自動翻訳」というものですが、
瞬時に翻訳をしてくれる機械というのは、
実はずっと前から日本で作られていました。
実は過去にも2回ほどブームが到来し、
両方とも、人々の期待は裏切られている、
という厳然たる事実が存在します。
1990年、1996年にそれぞれ、
「自動で翻訳ができる、魔法の発明だ!」と
多くの人がその翻訳機に殺到したようです。
でも、その翻訳はあまりに下手くそで、
会話の流れを完全に無視していたため、
めちゃくちゃな誤訳ばかりがされていたとか…
最近、三度目の謎ブームが到来しており、
「この先通訳の仕事がなくなる」とか、
「英語を学ぶ意味がなくなる」とか、
色々と言われていますよね。
しかし、この際ですから、
英会話の伝道師・まさぽんより
ハッキリと断言しておきましょう。
この先、機械翻訳が発達したとしても、
通訳の仕事はなくならないし、
英語を学ぶ意味もなくなることはありません。
機械翻訳にできる限界
実際、Google翻訳などを試してみると、
簡単な文は割と正確に訳してくれますが、
少し複雑な文になってくると、
めちゃくちゃな文法となってしまい
途端に意味が通じなくなります。
たとえば僕はこちらの記事 ↑で
「多義語は非常に覚えづらい」
という話をしていますが、
機械翻訳は、この「多義語」を
状況別に判断するのが
ひどく苦手だという性質があるのです。
たとえば“mean” という単語は
名詞で使うと「意味」
形容詞で使うと「卑しい」と訳されます。
なので、たとえば
“He is very mean.” という例文は
「彼はすごく卑しい」と訳すのが普通です。
しかし、これをGoogle翻訳にかけてみると…
↑こうなってしまうんですよね。
そこに「卑しい」という言葉は、
まったく出てきていません。
すなわちgoogleは、
誰でもできるような簡単な翻訳なら
人間の代わりにやってくれますが、
「多義語の判別」という
複雑な文脈の要素が混じると、
とたんに役に立たなくなってしまうのです。
また、多義語だけではなく
「英熟語」や「スラング」についても
Google翻訳はかなり苦手としています。
たとえば “stay fit” というのは
「健康を保つ」という意味の熟語です。
“I want to stay fit” と言えば、
「私は健康でいたい!」
という訳になるはずですが……
実際にこれをGoogle翻訳にかけてみると、
…といった感じで、
意味が全く通らなくなってしまうのです。
他にも例を挙げるとすると、
“break a leg” という言葉は
直訳すると「足を壊す」ですが、
これ、実はアメリカのスラング表現で
「がんばれ」という意味になります。
「足を折る(くらいの覚悟でやれ)」
という意味で相手を間接的に励ます、
という現地の文化背景から来ています。
しかし、
これをそのままGoogle翻訳にかけてみると…
↑まあ、やっぱりこうなるんですよね。
すなわち、google翻訳は
誰でもできるような直訳であれば
難なくこなしてくれるのですが、
そこに「俗語表現」という要素が混じると、
とたんに使い物にならなくなってしまいます。
ですので、
もしもあなたがこうした機械翻訳を
できるだけ有効に利用したい時は、
「多義語」「熟語」「スラング」については
なるべく使わないようにする方が
賢明である、とまさぽんは思います。
また、洋楽の歌詞を調べる目的で、
英語をそのまま機械翻訳にかけることも
ぼくはおすすめしません(笑)
たとえば映画「アナと雪の女王」の
代表的なテーマソングとなった
“Let it go” をあなたは覚えていますか?
ありのままの 姿見せるのよー!
ありのままの 自分になるのー!
何も怖くない 風よ吹けー!
少しも寒くないわー!!!
という、有名な歌詞がありましたよね。
あの曲の元ネタとなった
英語の歌詞は、次の通りです。
Let it go, let it go
Can’t hold it back anymore
Let it go, let it go
Turn away and slam the door
I don’t care
what they’re going to say
Let the storm rage on.
The cold never bothered me anyway
日本語版よりもずいぶんと
長い歌詞な気がしますが、
それは「大人の事情」ということにして…
勇気を出して、この原文の歌詞を
禁断のGoogle翻訳に
かけてみることにしましょう。
結果はこちら↓
…うーん、
なかなか意味不明な翻訳が
実行されてしまったようです!
人工知能は、変にマジメすぎるというか、
マニュアル通りの翻訳しかしない、
という特性があるため、
「人間的なセンス」を求められる場面では
どうしても機械っぽくなってしまうんですね。
このディズニー映画では、
主演のキャラクターが作品内で
歌うシーンが描かれているので、
その口の動きに合わせて
英語の歌詞を日本語に無理やり訳した、とか
複雑な背景事情もあるみたいですが…
それを踏まえたとしても、
機械翻訳の精度というのは、
まだまだ僕らを満足させるレベルには
到底、達しないレベルなのです。
「機械翻訳の限界」というのは、
人間が持つ感性やセンスといった
根源的な部分にあるのかもしれませんね。
裏返せば、機械にはできなくても
人間にはできることというのは
いくらでもある、ということなのです!!
機械翻訳の正しい使い方とは?
ここまで、だいぶ機械翻訳を
ディスりまくってきたまさぽんですが、
そんな僕でも、実はこの機械翻訳に
まだまだ期待している部分は大きいのです。
もちろん、巷で噂されているような
「もう英語学習は要らない(キリッ)」
という主張は全く信じていませんが…
実際、機械翻訳が今後も発達すれば、
僕らの生活は、かなり便利になる可能性が
高くなると考えています。
たとえば、何かの事情で一週間だけ
ヨーロッパや中東に滞在しなければ
ならなくなったようなときに、
この機械翻訳があれば、
今まで一度も習ったことのない言語圏でも
ある程度は生活が可能となります。
たとえば僕は英語と日本語しか話せないので、
フランス語やイタリア語、
アラビア語や中国語などはサッパリなのですが、
もしも何かしらの事情で
それらの国に短期滞在をしなければ
ならなくなったとしたら、
おそらく、かなりの確率で
機械翻訳に頼りまくることになるでしょう(笑)
もちろん長期で滞在する必要が出てきたら、
いつまでもスマホ片手にやるのも面倒なので
自分で語学を勉強すると思いますが…
現地で買い物をしたり、
電車の乗り換えを人に尋ねるだけであれば、
おそらく機械翻訳がこなしてくれるはずです。
ですので、僕らが機械翻訳を
正しく扱うためには、
ある程度、「割り切った使い方」を
することが前提となります。
実際、ヘッドセットをつけなければ
音声を正しく認識できない翻訳機も
まだまだ多いようですし、
しょせんは機械なのですから、
型にはまった文章(※)でなければ、
正確に翻訳してくれないという欠点もあります。
※ 例:「●●駅までの行き方を教えてください」
「あなたはどの食べ物が好きですか?」など
それに、「同時翻訳機能」とはいっても、
機械に人間が話しかけてから、
数秒は待たなければならないので、
実際にこれを使ってみると、
妙にムズムズした感覚にとらわれるでしょう。
かなり前に、まさぽんは
日本の某ケータイ会社で
「プッシュトーク」という機能を
使ってみたことがあるのですが、、、
あれも自分が話してから
数秒のロスが生じていたので、
なかなか相手とスムーズな会話ができず、
いまいち物足りませんでした。
「複数の人と一度に話せる」という
スグレモノの機能だったのですが、
どうも場の空気が気まずくなってしまい、
即効で離脱した記憶があります(笑)
しかし、これが実際の生身の会話であれば、
自分が話した言葉がすぐに相手に伝わるので、
その場の空気やノリなどを最大に生かし、
人間味のある会話が実現できるのです。
それと同じように、
英会話をしっかり学び、習得した人と
機械に頼って自ら英語を話さない人とでは
やはりコミュニケーション力に、
雲泥の差が生じてしまうでしょうね。
外国人からしても、
スマホに向かってブツブツ喋っている人と、
たとえ拙い英語であっても
一生懸命自分に言葉を直接伝えようと
してくれる人とでは、
断然、後者の方が
印象は良くなると思います。
別にヘタクソな英会話でも、
僕はいいと思うのです。
人として大事なのは、
「相手に自分の思いを伝える」という
その気持ちなのですから。
今回、この記事を読んだあなたは
「語学は機械に頼ればええやん」という考え方が
消え去ったのではないでしょうか。
実際、英語を話せるメリットというのは
ただ翻訳ができるというだけにとどまらず、
実に色々な良さがあります。
外国人と生々しい会話ができるあなたは
きっと多くの人から尊敬もされるし、
人生そのものが充実するはずですよ。
それでは、また。
まさぽん
P.S.
ちなみにこの動画、Google翻訳に
関するものですが、かなり笑えます😊
(※ リンク先はニコニコ動画です)
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コメント一覧 (6件)
まあ、日本国内の大半の人が、海外旅行や出張などの突発的な需要くらいだから、自動翻訳で十分=語学の勉強は必要ない という主張はあながち間違っていないような気もしますね。(90%以上の人がTOEIC900点以上の語学力など必要ないですし、おそらく800以上の語学力があれば旅行や出張レベルでは十分であり、現在のニューラル機械翻訳の実力はすでに800以上と言われています。)
また、Masaponさんがgoogle翻訳の翻訳が不自然とあげられているような事例は、正直結構マニアックな表現で多くの人はそこまでの表現をそもそも必要としません。
これから語学を学ばれる方は、正直私からすると「もうすぐ車という移動手段ができるのに、未だに移動手段として馬の乗り方を学んでいる」ようにも見えます。
ちなみに私は中国語をかれこれ10年近く学んできましたし、語学も好きで得意な科目でしたが、今後に費やす膨大な労力や時間、金銭的なものを考えたとき、別のスキルに投資した方が明らかによいと考え、後ろ髪引かれる思いでしたが、語学はすっぱりやめました。
テクノロジーが大きく変化するときって得てしてそういうもんだと思いますよ。
あきさん
えー。10年も中国語を勉強してたのにやめちゃうなんて、
超もったいないじゃないですかw
機械が発達したから、今までの努力は無駄ってことですか?
別にそんなことはないですよね。
続けてれば色んな中国人と話せるだろうし、いい事づくめだと思いますけど。
重機が発達した現代でも、筋トレ好きな人は後を絶たないですw
エレベータがあっても、階段を利用する人も多いですねw
自動演奏ピアノがあっても、音楽を習う人はいっぱいいますねw
語学は脳トレにもストレス解消にも高い効果があるし、
外国人と直接コミュニケーションを取ることにも大きな価値があります。
本人が好きでやってるなら、十分に語学を学ぶ意義はありますよ~( ̄▽ ̄)
テクノロジーと競うんじゃなくて、協調する方向で考えてみてはどうです?
まー、プロの翻訳家が自動翻訳の技術開発に協力してる時点で、そこはお察しかなと!
>機械が発達したから、今までの努力は無駄ってことですか?
→何を持って無駄と判断するかですが、、、少なくともお金と時間に関しては無駄だったんじゃないでしょうか?他のスキルに投資していた方が遥かによかったと考えます。
>続けてれば色んな中国人と話せるだろうし、いい事づくめだと思いますけど。
→自動翻訳機の性能が更に発達すれば、翻訳機の存在を意識することなくシームレスにもっと多くの海外の方(中国人に限らず)と深いレベルのコミュニケーションができますので、より良い方向へシフトしていくかと思いますよ。
>重機が発達した現代でも、筋トレ好きな人は後を絶たないですw
>エレベータがあっても、階段を利用する人も多いですねw
→目的が違います。筋トレや階段利用は主に健康管理のためです。
>自動演奏ピアノがあっても、音楽を習う人はいっぱいいますねw
→これはAIの自動翻訳と何が関係あるのでしょうか?ちょっと比較対象としてよくわからないです。
>語学は脳トレにもストレス解消にも高い効果があるし、
→これに関しては一理ありますが、あえて言わせてもらえば、語学でなくてもよいです。
>本人が好きでやってるなら、十分に語学を学ぶ意義はありますよ~( ̄▽ ̄)
→私が述べているのは好きかいなかではなく、学ぶ時間やお金、労力が単純にもったいないという主張です。
>外国人と直接コミュニケーションを取ることにも大きな価値があります。
→自動翻訳機は今後イヤホン型などの形態変化を経て、使う側が存在を意識しないで自然にコミュニケーションできる状態に間違いなく進化していきます。
それによって、十分自然なコミュニケーションが成り立つようになります。
よって、直接コミュニケーションをとる機会も増えていくでしょう。
少なくともTOEIC5,600点レベルの方より自然な会話が成り立つはずです。
>テクノロジーと競うんじゃなくて、協調する方向で考えてみてはどうです?
→?????
競っている(自動翻訳機を敵視している)のはtamaxsugiさんではないでしょうか?私は今更語学を学ぶくらいなら、テクノロジーを利用した方がよいと思うとの主張ですが。
最後の、一言だけ。
上記ブログで、google翻訳での翻訳がうまくいかない事例をいくつかあげられているかと思いますが、同じ言葉で今一度翻訳を行なってみてくださいね。AI自動翻訳の進化のスピードがよく実感できるかとおもいます。
わざわざコメントおつかれさんです。
こんなところで僕を論破しようと頑張るよりも、
別のスキルとやらに投資した方が時間を有効に使えるとおもいますよ~。
少なくとも僕は英語を学んでいてムダだと思ったことは一度もないですが、
僕にコメントするくらいなら、文部科学省の窓口(http://www.mext.go.jp/)で、
義務教育から英語を無くすように働きかけたらいいんじゃないでしょーか。
あと、街中の英会話スクールや受験予備校の教室、
SNSアカウント、ホームページの問い合わせの全てに対して、
おんなじ主張をぶつけて、革命を起こしてくださいね!
その方がよっぽど効率的でしょ。
まず、日本語の読み書きから学んだ方が良いかもしんないっすけどね。。。
ご忠告ありがとうございます。
おっしゃる通りです。
ただ、私が動くまでもなく、各語学スクールは数年後には無くなっていきますよ。一個一個働きかけるのはそれこそ無駄な労力。別に改革者になりたいわけでもないですし。
あなたの本ブログのタイトルが中々挑発的だったので、個人的に意見を述べさせていただいたまでです。
では、お邪魔いたしました。
そうですね~。
英語頑張ってる人に向けて書いてる記事なので、
読むだけ時間のムダな人もいるかなと思いますw
「直接英語を話してみたい!」ってニーズは
これからもなくならないと思うので、
街中のスクール等も存続するんじゃないかなと僕は予測してますよ。
ちなみに、単なる日英翻訳機能だけなら
AIのディープラーニングで進化するので、
僕も機会があれば利用してみたいと日頃から考えてますが、
「感情を伴った異文化コミュニケーション」
「自分の持っているスキルやキャリアと英語を掛け合わせる価値」
「不慣れな言語を用いて自分の心を見つめ直す機会」
などについては、簡単に機械に代替されない部分なので、
これからの語学にはそういう要素が重要になるのかなと個人的には思ってます。
テクノロジーが発達するにつれて、
人間のライフスタイルも変わってくるってだけなので、
時代に応じて(ゼロかイチかではない)柔軟な変化をすればいいだけのお話なのです。