こんにちは、まさぽんです。
今回は「伊藤和夫の英語学習法(駿台文庫)」という本を読んだので、レビューを書きます。
伊藤和夫って誰ですか??
すでに他界してるけど、受験英語では「伝説」という扱いを受けている存在だ。英文法に関してはこの人を抜きにしては語れない。
どれどれ、ググってみると……「受験英語の神」とか言われてるじゃないですか。
予備校全盛時代に英語を教えていた先生だから、この人の教え方を受け継いだ予備校講師は多いだろうね。
この本を読んだ結論を先に書いておくと、以下の通りです。
良い点
・英語学習者の誰もがいずれ出会う違和感を納得がいくように解説している
・単語の覚え方や英作文・読解のコツを詳しく教えてくれる
・昭和〜現代まで続く日本の英語教育の迷走の根本原因を明らかにしている
悪い点
・(特にないが、あえて言うなら)日常英会話に関する情報は書かれていない
・(特にないが、あえて言うなら)自著の宣伝が多い
現代は多くの人が英語を教えている時代ですが、ここまでレジェンド扱いされた人は他に類を見ないと思います。
ということで、本書の詳しい内容は以下をお読みください!
▶ 大学入試 伊藤和夫の英語学習法(駿台文庫)
著者 | 伊藤和夫 Kazuo Ito |
---|---|
本の長さ | 126ページ |
発行所 | 駿台文庫株式会社 〒101-0041 東京都千代田区神田須田町2-11 協友ビル内 |
お問い合わせ | 編集:03-5256-3871 販売:03-5256-3103 |
この記事がオススメな人
- 大学受験英語に興味がある人
- 英語学習の王道を突き進みたい人
- 文法は必要なのか不要なのか、さまざまな説がある中で何が本質なのかを知りたい人
「伊藤和夫の英語学習法」は主に大学受験生向けですが、実は「英文法を根本から学び直すこと」が、オトナの英語初心者が日常英会話を身に付けるのに最も効果的な方法です。
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もくじ
著者:伊藤和夫氏のプロフィール
伊藤和夫(いとうかずお)
1927年生まれ。駿台予備学校の伝説的な英語講師として活躍。『英文解釈教室』『ルールとパターンの英文解釈』など、多数のベストセラーを執筆。1997年に逝去するが、その画期的な読解法や和訳法には現在も高い評価がり、「受験英語の神様」「受験英語界の巨人」と称された。
英文法の枠組を英文解釈に利用可能な形で取り入れた読解法は「構文主義」と呼ばれ、受験英語界(特に駿台予備学校英語科)の伝統となった。
彼の展開した「構文主義」とは、文章単位で英語を理解する姿勢である。「直読直解」を展開し、「予測と修正」により返り読みを否定し、品詞分解は多少の必要悪として認めたが英文の原型が分からなくなるほど文章を細分化することは否定した。
生涯独身。
受験英語に生涯を捧げた人ですか。今はこういう人はいないですね。
情熱のある人は多いと思うけど、利益主義に走ってるところがあるからね。今の教育業界に携わる人は全員この人の本を読んだ方が良いと思う。
「伊藤和夫の英語学習法」の内容と世間からの評判
まずは「伊藤和夫の英語学習法」に寄せられた世間の評判をチェックしてみましょう。
この人に予備校で直接教わったのは、主に団塊ジュニア世代ですが、その教育方針のDNAは今に至るまでずっと受け継がれており、多数の参考書が今でも取引されています。
良い評判
25年前に大学受験をし、英語とは無縁の生活をしてきて、いま再学習をしている者です。
当時、駿台予備校にすごい英語講師がいるという噂を聞き、「旺文社大学受験ラジオ講座」の講義で実際に目からうろこが落ちるような感動をしたのを覚えています。
英語再入門にあたって参考書情報をネットでいろいろ見ているとその伊藤先生のものが健在ではありませんか。
これは伊藤和夫コースで行くしかないと思いました。
確か当時は「英文解釈教室」「英語長文読解教室」くらいしかなかったのですが、今はたくさんの参考書を残していらっしゃいます。どれから初めてどう進んでいけばいいのか判断に困るくらいです。
この本読めばそれがわかります。ここが大きいですね。
全体はタイトルの通り英語学習をどのようにすればいいかの本です。
ただ、伊藤先生は駿台予備校の講師でしたから、もともとハイレベルな生徒しか相手にしたことがないというのは差し引かないといけないかもしれません。駿台予備校って東大に落ちた有名進学校の卒業生ばかり行くようなところでしたからね。
私が伊藤先生の言うことで「間違ってるな」と思うのは、単語の覚え方。単語集なんてやらなくていいようなこと言ってるけど、頭のあまり良くない、読んだ英文に出てきたわからない単語をその場で覚えられない人、そもそも読んでる量が少ない人は、やはり最低限の語彙力をつけるために単語集で覚えることはやらないといけないと思います。
あと、基本的な文法の参考書も必要。高校で配られたものでいいから。今から買わなければならない人なら「フォレスト」が評判も良く、易しくてサクサク読み進められるのでおすすめです。
基礎的な英文法と語彙はあった上での伊藤コースだと思います。
ちなみに私は、日東駒専に受かればすごいと言われ、数年に一度、一人だけ地方国立大に受かる程度の三流高出身ですが、東大に落ちて地方旧帝大に行きました。
かつては高学力を持っていましたので、伊藤先生に抵抗はありません。
が、進学校でない人は伊藤和夫先生が合っているのかどうか、背伸びではないか、よく検討してください。この本の言っていることに納得がいくかどうかもその材料になると思います。
大学入学後に英語の原書(洋書)を読むのに役立つような高いゴールを目指すには伊藤コースはいいでしょう。この本ですが、2時間くらいですぐ読み終わると思います。参考書を買う前に読む本です。
英作文について教わるところがあった。ひとは実力に応じて英作文をする。それは直訳であれ、意訳であれ、超訳であれ、自分の力に見合った英文を作る。実力のあるもは、微妙なニュアンスをも英文にうつし、実力のないものも、それなりに英文を作る。その違いは正誤にあるのではなくて、どれほど日本文を英語に移せるかの問題になる。
伊藤先生は確かにかつての「カリスマ講師」だったが、それはあくまで「伊藤先生が存命中の受験英語」に限ったこと。しかも晩年は著書が数多くなって「何をどうやったらいいのか分からない受験生」が増えてしまった・・大学受験の準備は「絞りきった内容を覚えることが肝心」なため、この状況を伊藤先生も反省したかのようにようやく本書を出版した。これから伊藤先生の本で勉強しようという人はまず本書を読んで著書を選びきってほしい。あれもこれもやろうとするのは「愚の骨頂」。莫大な時間の浪費だし消化不良を起こすだけだろう。
悪い評判
伊藤和夫氏の名前は昔から知っておりましたが、最近になってようやく氏のすごさがわかりました。一般的には英文解釈教室が有名ですが、個人的には英文法教室が一番切れ味があると思います。それだけに、本書の内容は、極めて平凡としか言いようがありません。高校生や受験生向けに書かれた内容だから、仕方ないかもしれませんが。。。もっと伊藤氏自身の学習の歴史を大胆に書いてほしかったです。
評判は全体的に知的なものが多く、英語に対して真っ向から挑んでいく姿勢を持つ方が多くありました。ただ、受験英語を超えたネイティブレベルの日常英会話を目指す人には物足りないという意見も。
日常英会話を学ぶ上でも、伊藤和夫氏の英語学習法は役立ちますか?
もちろん。でも、ネイティブレベルは受験英語よりもずっと高いところにあるから、この本の内容が理解できずに挑むのは無謀だと言える。
「伊藤和夫の英語学習法」の個人的なレビュー
伊藤和夫氏の数ある著書の中でも、あまり参考書っぽくないのがこの「伊藤和夫の英語学習法」です。
生徒2人との対談方式で話が進められており、「参考書のための参考書」のような位置付けですね。
頭から順番に読んでいくだけでも「英語の学び方」の根本的な掟が分かるように設計されています。
最後まで一通り読んでみて、個人的におすすめしたいポイントは「文法をどう生かすか(P24〜)」のところです。
特に「日常英会話を話せるようになるには、文法なんて必要ない!ネイティブスピーカーは文法なんて勉強しないし、不定詞とか関係代名詞なんて用語も知らない!」という俗説を真に受けてしまいそうな人は、必読です。
大人の言語学習は「規則性」を見出すことで成り立つものだという話をされており、もし文法を使わずに「単純なインプット&アウトプット」で英会話を身につけようとしたら、膨大な時間と労力が必要になる……という(冷静に考えれば当たり前の)結論ですね。
「規則性」ってどういうことですか??
たとえば「トムとブラウンとジョニーとケリーと○○は……」って全てのアメリカ人の名前を挙げてたら時間がいくらあっても足りないけど、「アメリカ人」で一般化・抽象化すれば一言で済む。これが言語の規則性。
なるほど!でもそれって文法なんですか?
英文法は「言葉のための言葉」なんだ。たとえば “I think that not every customer in Starbucks likes coffee.” にある “that” は、動詞thinkの目的語であり、2つの文をつなぐ接続詞でもある。こういう概念的理解は文法を学ぶことで可能になり、1つの英文を様々な英文に応用できる。
訳すと「スタバにいるお客さんのすべてがコーヒー好きというわけではないと私は思う」ですね。
うむ、正解だ。部分否定のニュアンスをよく訳せたね。
1つの英文の中にも、いろんな規則性が含まれているんですね!
「文法をどう生かすか(P24〜)」以外にも、さまざまな具体例を使って英文解釈のやり方やつまづきポイントが解説されています。
ただ、完全な英語初心者には少しハードルが高いので、中学英語を一通り終えた人向けの本だと言えるでしょう。
また、日本人を相手に英語を教える仕事をする人も、本書の内容はすべて理解しておく必要があると僕は思います。
英文法を頑なに教えようとしない講師って最近多いですからね。こんなに重要だしちゃんと学べば面白いのに……。
要はそういう講師には文法を教える実力がないってことだよ。ニュアンスとかフィーリングで本質を誤魔化した「リピートアフターミー」形式の教え方しかできないから、そういう人から学ぶと肝心の日常英会話もろくに身につかない。
日常英会話をマスターしたい人も、英文法は必須だということですね!
そーそー。文法とか構文の基礎を疎かにしたまま英会話だけを学ぶと、5年は余分に語学に時間を費やすと思っていいよ。
まとめ
今回は、少し古いが今でも英語学習に役立つ「伊藤和夫の英語学習法(駿台文庫)」のレビューを書きました。
「これさえ読めば英語ペラペラになれる!」という類の本ではなく、もっと根本的に日本人の英語に対する「あるべき考え方」を明らかにしてくれる書籍ですね。
この本を最後まで読むと、心の中が「英語をやりたくなる気持ち」で溢れてきます!
中学レベルの英語力をすでに身につけており、そこからさらにハイレベルの英語力を志す方は、本書を一読しておくと学習の柱がブレなくなるはずです。
英語を基礎から学ぶと頭が良くなる!
ちなみに僕も英語初心者さん向けに、「どうすれば基礎から英語をマスターして豊かな人生を送れるのか?」といったテーマで情報を発信しています。
オンライン上で中学生~80代まで幅広い年齢層の方に英語を基礎からみっちりと教えていますが、みなさん高いやる気で勉強して下さっています。
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僕自身も「英文法」を軸とした教え方をしていますが、学習のモチベーションアップや海外の実態など、人生全般で役立つ情報も発信しています。
ということで、これから英語を真剣に身に付けてみたい方は、ぜひ一緒に頑張りましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。