医療通訳士とは何なのか?難易度・英語力・年収・求人情報まとめ。

こんにちは、まさぽんです。

今回は医療通訳士という職業に関する特集をします。

医療通訳には正式な国家資格がないため、様々な民間団体がそれぞれの通訳関連の資格を作っていましたが、2019年に医療通訳の認証を統一化するために、厚生労働省と国際臨床医学会(ICM)が医療通訳に必要なカリキュラムを作成し、資格として「医療通訳士®」というものが定められました。

ぱんだぱんだ

医療通訳の資格があり過ぎてどれを受ければいいか分かりません。


まさぽんまさぽん

正直どれも似たような感じだけど、試験形式とか細かい部分で違いはあるよ。


ぱんだぱんだ

このICM認定とやらも国家資格ではないし、数ある医療通訳のうちの1つに過ぎないんですよね?全然統一できてないじゃないですか。


まさぽんまさぽん

試験自体は統一されていないけど、認証機関としてはここが唯一なのです。詳しくは後ほど。

というわけで、行ってみましょう。

 

この記事の信頼性
筆者であるまさぽんは、過去に米国へ留学経験があり、現在は英検1級を保持しています。これまでに体験した英語教材・講座は100種類以上で、全ての教材の評判や口コミを随時チェックしつつ、自身も常に英語力の研鑽に励んでいるため、独自の選別眼を養っています。SNSアカウントはコンテンツをチェックしコメント欄などを隅々まで確認するなど、嘘偽りない情報収集&発信を日頃から心掛けています。本記事の情報は、2023年8月24日時点での最新情報が記載されています。なお、本記事では人工知能による自動書記を一部使用しています。

 

国際臨床医学界(ICM)認定「医療通訳士®」認定制度について

会社名 国際臨床医学会事務局
代表者 澤 芳樹(代表理事)
所在地 〒560-0082
大阪府豊中市新千里東町1-4-2 千里ライフサイエンスセンター9F (一社)臨床医工情報学コンソーシアム関西
お問い合わせ TEL:06-6310-0156
FAX:06-6310-0158
hci@kokusairinshouigaku.jp

この記事がオススメな人

  • 医療通訳士に興味がある人
  • 医療通訳士の年収や需要、仕事内容などを知りたい人
  • ICM認定の医療通訳士の試験制度が気になる人

 

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医療通訳士とは(定義)

医療通訳士は、医療現場で患者と医師、看護師、医療スタッフなどとのコミュニケーションを円滑に行うために活動する専門家です。

言語の壁や文化の違いがある中で、患者が適切な医療ケアを受けるためには、専門的な通訳が必要となることがありますが、その際に活躍するのが医療通訳士の方々ですね。

医療通訳には英語や中国語などが使われますが、非常に高い言語スキルに加え、医療分野の専門知識(英単語など)を押さえておく必要が生じます。

また、患者のプライバシーを守る義務があるため、個人情報や医療記録の漏洩が生じないよう、注意深さは不可欠となります。

近年ではテレヘルス(遠隔医療)の普及により、ビデオ通話を通じて医療通訳を提供する機会も増えています。

厚生労働省の定義

医療通訳者は、日本語が母国語でない、若しくは日本語でのコミュニケーションに制限がある患者等に対して、日本語での医療・保健を安全かつ安心して提供するために、通訳技能と医学知識を用いて相互理解を支援する専門職と考えられる。

というのが厚生労働省の「医療通訳者」の定義です。

小さな医療機関などでは、海外経験のある友人などに通訳を依頼するパターンも多いようですが、本来の医療通訳者は医療・語学に関する知識を持ち、専門的なトレーニングを受けて資格を取った人のことを指します。

ただし、医療通訳の資格に国家資格はなく、また認証機関も多岐に渡っているため、「医療通訳といえばコレ」といった証明はないのが実態です。

人数

厚生労働省の2017年の調査によれば、医療通訳として登録されている人数の合計は約2,400名です。

ただし、これらの数字の多くは事務職員や医師との兼任であり、専業で医療通訳をしているパターンは少ないようです。

外国人患者の受入れ実績があった医療機関のうち、日本語でのコミュニケーションが難しい患者を受け入れたのは65.3%で、患者に対して「英語」で対応した医療機関が56.8%で最も割合が高く、次いで中国語が26.6%、日本語が26.0%というデータがあります。

マイナーな言語の場合、地域ごとに医療通訳の需要も異なるため、英語や中国語と兼任でスポット的に医療通訳をする人がメインだと推測できます。

ぱんだぱんだ

日本は中国人観光客が一番多いイメージがありますが、なんだかんだ英語対応をしているんですね。


まさぽんまさぽん

日本語は無理だけど英語ならいけるって非ネイティブ外国人も多いからね。


ぱんだぱんだ

右のグラフの26.4%の日本語対応の部分が、医療通訳士の伸びしろということでしょうか。


まさぽんまさぽん

そうとも限らない。小さな医療機関だと、通訳を雇う余裕がなかったりするし。

引用:厚生労働省

求められる英語力

医療通訳士には、中国語や韓国語で仕事をする人もいますが、多くは英語で通訳がなされます。

対象となる医療通訳試験を突破し、さらにそこから3コマの「ICM認定医療通訳士講習会」を受け、申請の後にようやく「医療通訳士®」として認定がされるということです。

対象となる試験は以下のいずれかです。

◆ 一般財団法人 日本医療教育財団「医療通訳技能認定試験
◆ 一般社団法人 通訳品質評議会「一般通訳検定試験 上級【医療】」
◆ 一般社団法人 日本医療通訳協会「医療通訳技能検定試験

ぱんだぱんだ

あ~、なんかやたら試験が色々あると思ったら、それらをICMが統合した形なんですね。でもこの機関は果たして必要なんですか?単に講習を受けさせてハンコを押すだけの団体じゃないですか。


まさぽんまさぽん

そこは大人の事情ということ。医療機関によっては、この認証がなければ通訳を受け入れない可能性だってあるわけだし。

引用:第3回ICM認定医療通訳士医療通訳試験合格者認定申請要項

看護師・薬剤師にも必要か

医療通訳士としての資格を持っていても、専業で仕事をしている人の割合は少ないと推測されます。

それゆえ看護師や薬剤師の方が医療通訳として兼業をすれば、医療現場内で替えが効かない人材となり、希少価値が高まります。

身体の器官名や疾患、病名や薬の効果などに精通しているので、1から医療通訳を勉強する人よりも、看護師・薬剤師の方がだいぶ有利です。

ただし看護師・薬剤師の方が英語スキルをアピールしたいなら、医療通訳士の資格を取るよりも、医英検CBMSなどを受験した方が本業に徹している感は出ますね。

医療通訳の試験合格者は数が少なく、マイナーな試験のためアピールしづらい面もあり、何を専業として働くかによっても選択は分かれるでしょう。

ぱんだぱんだ

資格が多ければ多いほど良い訳ではないんですね。


まさぽんまさぽん

資格マニアってどのジャンルでも潰しが効くから、逆に採用を弾かれる可能性があるのよ。良い人材にはできるだけ長く1つの場所で働いてもらいたいのが雇う側の本音だろうし。


ぱんだぱんだ

1つの分野にコミットしてる感をいかに出すかがマッチングのコツですね。

医療通訳士の収入・年収について

医療通訳士の需要は、外国人人口の多い場所(東京など)に求人が集中しています。

また、小規模の病院よりも大病院の方が使える予算が大きいため、医療通訳を依頼する機会が多いと言えます。

給料はバラバラ

求人情報サイト「求人ボックス」によれば、医療通訳の給料は、平均月給で29.9万円(2023年8月時点)です。

ただし、求人な内容は固定給だけではなく、派遣として時給5,000円の通訳を週2回だけ募集していたり、看護師や医療事務との兼任で医療通訳スキルを求めているものも多く見られます。

また、通訳者としての資格を得ても、単に英語スキルの証明目的だったり、仕事に英語力を活かしていないパターンも多いので、平均収入が実態とはかけ離れている可能性が高いです。

医療通訳とは違いますが、「通訳案内士」の資格保持者の54.5%が年間稼働日数30日以下で、専業で働く人は全体のわずか10.2%というデータもあるので、医療通訳者も専業で仕事をしている人は少ないと推測できます。

通訳と翻訳の兼任や、医療通訳コーディネーターとしての求人も多いため、「純粋な医療通訳者の年収は〇〇〇万円です」とは断言できませんが、平均的には300~500万円程度であり、スキルと稼働率が高いほど稼げる仕事の一つですね。

もちろんフリーランスで仕事を多く取ってこれれば、努力次第で年収1,000万円以上の通訳者になれる可能性は十分にあります。

が、通訳案内業による年収は、全体の62.2%が100万円未満であることも事実です。

ぱんだぱんだ

ただ受け身で英語の勉強をしてきただけの人には厳しい道だということですね。


まさぽんまさぽん

安定の道を選びたいなら企業内通訳から始めてキャリアを積んで行けるけど、いきなりフリーランスだと信頼を得るのは難しい。だから今回のICMのような認証が必要になったりする。


ぱんだぱんだ

機関は認証を提供するだけで、仕事の保証はしてくれないんですよね?労働者の弱みにつけこんでませんか?


まさぽんまさぽん

表立って保証しちゃうと、人間性や倫理観に問題のある人にも仕事を与えなきゃならないから、そのあたりを柔軟に対応できるように、あえてぼかしてるだけだと思うよ。

また、求められる言語は英語が最も多く、中国語やその他言語だと希少なので単価は上がりますが、需要も少ないので単発勤務が多く、安定した収入にはつながりにくいようです。

引用:通訳案内士就業実態等調査事業(国土交通省)

最初はバイトから始めるのも手

医療通訳には複数の種類の試験があり、試験に合格するまではいったん医療事務や国際医療コーディネーターなどのバイトをしながら勉強を続けるという道もあります。

医療系の知識は専門的かつ複雑で、あらかじめ実際の現場を知っておき、よく使われる用語などを把握しておいた方が有利に働くことは間違いないでしょう。

英語能力自体はTOEIC600点代後半から挑戦できますが、通訳者としての実務能力があることはもちろん、厚生労働省の医療通訳ガイドラインを一通り把握している必要があります。

1から勉強を始め、医療通訳者になるのは、決して簡単な道ではありません。

が、努力によって壁を乗り越え、通常の医療通訳者とはまた異なる視点を得られれば、それ自体が大きな強みとなります。

深夜の救命病棟で医療事務の派遣アルバイトなどの案件があれば、現場の雰囲気はある程度掴めるでしょう。

まとめ

今回は、医療業界で重要な役割を担う医療通訳士(ICM認定)の詳細について、難易度や求人情報などを紹介しました。

医療通訳士になるには専門知識に加えてハイレベルな英語力が必要であり、TOEICなどで高得点を事前に弾き出せる受験者の方が有利です。

もし英語力に自信がなければ、中学~高校範囲の英語学習を一通りやり直すところから始めてみるのが良いと思います。

英語を本気で習得したいなら

ちなみに僕は普段、英語初心者向けに、「どうすれば基礎から確実に英語を習得できるのか?」といったテーマで情報を発信しています

特に、中学英語に挫折した方や、昔は英語が得意だったけれど今はほとんど知識がスッポ抜けてしまったという方向けに「英文法」の学び方について基礎から徹底的に洗い出しています。

いきなり医療英語を学んでしまうと、英文構成や基礎的な英単語が分からなかったり、読んでいる最中に頭が混乱したりしますが、そんな方でも「徹底的な基礎」を習得することで、確実に英語が得意な側へと回ることができます。

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時には厳しい試練もありますが、僕の言うとおりに順番を守り、目の前の課題を真剣に取り組んで頂ける方であれば、TOEIC600点超え(英検2級)までのレベルアップは保証します。

TOEIC600点・英検2級以上を持っている人の方が、そうでない人よりも、英会話をずっとスピーディに習得できるという研究結果もあります。

訪日外国人客数はコロナ明け以降、着実に増加しており、そのうち約6%が日本の医療機関を受診していると言われています。

これから医療従事者の方々にも確実に「英語」が不可欠のスキルとなるでしょう。

現実を見据えた上で、前向きに頑張る意思をお持ちの方は、ぜひ僕のところへ来てください。

では、最後までお読みいただき、ありがとうございました。