「女性はリーダーに向いてない」は本当?抱える孤独と悩みの正体とは

こんにちは、まさぽんです。

今回は女性リーダーが現代で抱えるお悩みというテーマで、海外情報を参考に、ジェンダー論を解説します。

世界では女性のリーダーも多いと言われていますが、日本はなかなか女性の管理職が増えません。

かわうそかわうそ

女性のリーダーって日本でどのくらいいるんですか??


まさぽんまさぽん

2022年では女性管理職の割合は1割程度。世界ランキングでも日本は下位で、政府は30%を目標に女性の社会進出を推進しているよ。

「そもそも女性の社会進出って日本に合ってるの?」「リーダーになりたくない女性が多いのでは?」という議論もありますが、それらをひっくるめて世界ではどういう動きが主流になっているのか、本記事では確認していきます。

というわけで、行ってみましょう。

この記事の信頼性
筆者であるまさぽんは、過去に米国へ留学経験があり、現在は英検1級を保持しています。これまでに体験した英語教材・講座は100種類以上で、自身も常に英語力の研鑽に励んでいますが、同時に「英語力を生かした男女の社会進出」をテーマとした個人的な研究を3年以上続けています。SDGs17の目標の1つである「ジェンダー平等を実現しよう」を意識し、看護師や事務職の女性と実際に面談のやり取りをして生々しい本音を調査するなど、嘘偽りない情報収集&発信を日頃から心掛けています。本記事の内容は、そんな筆者の1~2次情報と、アメリカでドキュメンタリー映画のプロデューサー兼ディレクターを務めるRobin Hauser氏の意見を照らし合わせた上で執筆しています

 

この記事がオススメな人

  • 現代の女性リーダーが抱える悩みを深掘りしたい人
  • 本当の男女平等とは何かを深掘りしたい人
  • 女性の社会進出に対して疑問を抱いている人

 

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本記事ではジェンダー論を解説していますが、世界では共通語を英語として、さまざまな男女の役割が議論されています。

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「女性はリーダーに向いていない」という偏見

アメリカのドキュメンタリー映画プロデューサーであるロビン氏は、TEDで女性リーダーにまつわる好感度のジレンマ(葛藤)について語っています。

自身が過去に受けてきたジェンダーバイアスを例に挙げて、実際にリーダーとして活動をする女性がどのような心の葛藤を抱えているのかを見ていきましょう。

翻訳元:The likability dilemma for women leaders

 

私は真ん中の子で、生まれつきの挑戦者です。

物心ついたときから、競争したい、成し遂げたい、自分を証明したいという欲望が渦巻いていました。

私のエネルギーは簡単には収まらず、男性からも女性からも、強烈、精力的、攻撃的と言われてきました。

これらの言葉は、私にとっては褒め言葉とは思えません。

私は、自分の激しさを抑えようとして、もっとソフトな態度を取ろうと思うこともありますが、疲れるんです。

実は、この強靭な殻の中には、身近な人だけが知っている繊細さと不安が隠されているのです。

ぱんだぱんだ

トランスジェンダーってことですか?


まさぽんまさぽん

いいや、身も心も女性だけど、男性のような気質を持ち合わせているってことだね。

私は男性的な特徴を持っているので、私はいつも男性と仲良くしているタイプの女性であると見なされがちです。

去年の冬、スキー場を歩いていたら、男性が近づいてきて、「すみません、ご主人か婚約者の方とご一緒ですか?」と聞かれました。

「いいえ」と言って、リフトのほうに進みました。

しかし、私は好奇心に負けたんです。

振り返って、なぜ私が男性と一緒にいるかどうかを知りたがっているのか、その人に聞いてみました。

「”タイムシェア” を売っているんだ。不動産みたいなものだよ。」

「女性には売らないの?」

「ああ、興味あるかい?」

「いいえ。でも、女性でも小切手帳を持っているということをあなたは知っていますか?」

その時、彼は私を見てこう言いました。

おお、女性なのに逞しいね。

かわうそかわうそ

……女性が大金を持つことはないって、営業マンに決めつけられたんですね。


まさぽんまさぽん

そう。不動産購入の決済は男性に主導権があるだろうと。

現代の性差別は昔とは違い、女性の体格について露骨にコメントしたり、お尻をポンポンと叩いたりすることが許容されてはいません。

今日の性差別は、もっと微妙なものです。

大したことではないと思えることでも、人によっては積み重なれば死に追いやられます。

スキー場でのあの日の出来事は、単なる些細な摩耗ではありません。

それは、男女の対立への認識について、私の好奇心に火をつけたものだったのです。

女性が自己主張をすると、なぜ男性とは異なる認識をされるのか?私はそれを知りたかったのです。

それが私の脳内にある考えだけではないことを確認するために、少し調べてみました。

すると、能力/好感度のジレンマと呼ばれるものに行き当たりました。

女性は男性とは違って、能力も好感度も両方が高く見られることはめったにないというものです。

ここで、”likable(好感度)”という言葉を定義してみましょう。

Merriam-Websterの辞書によると、”likeable “は以下の通りです。

「好感を持たれるような性質を持つ、心地よい、好感が持てる」

urban dictionaryの辞書によれば、

「心地よい、魅力的という意味の形容詞。簡単に好きになってしまうもの」

とあります。

悲しいことに、我々のほとんどは強くて有能な女性を好きになりやすいとは思わないのですね。

ぱんだぱんだ

パンダの世界では、メスは一匹で子育てをしますよ。生きるために強さは不可欠です。


まさぽんまさぽん

ここで言う強さは、生活力ではなくて、社会における支配力みたいなものを指しているのではないだろうか。

2003年、コロンビアビジネススクールのフリン教授がある実験を行いました。

彼は、女性ベンチャーキャピタリストとして成功したハイディ・ロイゼンのケーススタディを取り上げ、名前をハワード・ロイゼン(男性名)に変更しました。

そして、クラスの半分にハイディ・ローゼン、もう半分にハワード・ローゼンのケーススタディを配ったのです。

そして、学生たちにハイジとハワードのどちらどの程度有能で、どの程度好感が持てるかを評価させました。

女子学生も男子学生も、ハイジとハワードは同じくらい有能であると感じています。

しかし、学生たちはハイジを好まない傾向がありました。

ハイジは、ちょっと強引で、自分のことしか考えていない。学生は男女ともハイジの下で働きたい、ハイジを雇いたいと思いませんが、ハワードなら良い同僚になるだろうと皆思ったのです。

なぜか?

なぜなら、我々の社会では、女性はジェンダー規範に反した振る舞いをすると、ペナルティを受けるからです。

我々のジェンダーに関する固定観念では、女性は優しく、養い、助け、支え、偏狭であるべきで、伝統的に男性は決断力があり、有能で、自己主張が強く、強いと期待されています。

それゆえ女性にとってのジレンマとは、自己主張や決断力などのリーダーシップにおいて重視される資質が、「好感の持てる女性とは?」という社会的規範に反してしまうということなのです。

女性の好感度はリーダーシップと一致しない

私はドキュメンタリー映画制作者なので、好奇心しかない人間です。

しかし、好奇心旺盛であることは、女性の特性として賞賛されるものではないことを知りました。

先週、カクテルパーティに参加した時、ある男性に、どんな仕事をしているか聞いてみたんです。

「フィンテック」と彼は答えました。

好奇心旺盛な私は 私はもう少し掘り下げてみました。

「そうなんだ、何関連の?」

複雑なんだ

議論終了。OKです。

彼は私に長い説明をするのを避けたかったのかもしれません。

が、彼は偏見を持っており、女性の私には(複雑な)金融のことは理解できないだろうと暗に示していた可能性が高いです。

いずれにせよ、私が男性だったら、「複雑なんだ」とは言わなかっただろうことは確かです。

思い出したら胸がチクチクしてきました。でも我慢しましょう。

かわうそかわうそ

うーん、「何関連?」と聞かれているのに「複雑なんだ」という答えはおかしいですね🤔


まさぽんまさぽん

フィンテックは誰に取っても複雑なのは確かだけど、質問されてちゃんと答えないのはマナー違反だね。

強い女性に好感が持てない理由は、ほとんどの人が自覚していませんが、何かしらが気になっているのです。

しかし、その奥底には、無意識のバイアスがかかっています。

バイアスの正体は、私たちが祖先から受け継いだ「生存ヒューリスティック(≒本能)」です。

問題は、それが無意識であることなのです。

人間である私たちは、他の人の偏見には気付けるとしても、自分が偏見を持っている時にそれを認める能力を持っていません。

私たちは皆、とにかくほとんどの人が、自分は公正で、心が広く、偏見がないと思っています。

それなのに、私も(大統領選挙における)ヒラリー(クリントン)の声がずいぶん小さく感じられました。

このように、社会がリーダーシップを男性的な特徴と結びつけ続ける限り、女性リーダーは、たとえ男性リーダーより優れていても、より厳しく評価されることになります。

アメリカでは、選挙では能力よりも好感度が重視される傾向があるため、女性の政治家が大きく苦戦するのも不思議ではありません。

女性は議会の議席のわずか25%しか占めていないのです。

能力/好感度のジレンマは、政治だけでなく、教育や職場でも大きな影響を及ぼしています。

男女参加の会議に女性が参加すると、知識の貢献度が低くなるという研究結果もあります。

女性である私たちはもっと挑戦するように言われますが、実際にそうすると反発があります。

かわうそかわうそ

女性だから知識がないと決めつけるのは間違いだと思います!


まさぽんまさぽん

知識は学べば誰でも得られるよね。ただ、中年期以降は学ぶことをやめる人が多いのも事実。

最近の研究では、女性は男性に比べて交渉が苦手であることが分かっています。

これは、自分のために交渉する女性は利己的であると認識され、誰かのために交渉する女性は協力的だと認識されるからです。

それゆえ、誰か他の人ために交渉した場合は、女性の方が男性より優れています。

協力的な女性は、自己主張の強い女性よりも好かれるかもしれません。

しかし、協力的な女性は、「成功するリーダーになるために必要なものを持っている」とは認識されないでしょう。

先週、ある見込み客に講演料を見積もり、その値段を伝えたところ、こう言われました。

わあ、すごいね。大金だ。これならドキュメンタリー映画制作は、もはやあなたの趣味の範疇を超えてしまうのでは?

痛いですね~。

ぱんだぱんだ

どういうことですか?


まさぽんまさぽん

夫の資金に頼って趣味で映画作りしてる女性だって思われたんでしょ。ドキュメンタリーは採算が取れないから、本人が好きじゃないと作れない。


ぱんだぱんだ

なるほど。自立して食っていけるレベルの講演料だったんですね。

我々は人間である以上、偏見を減らすためにできることは限られています。

ですから、例えば、より多くの女性を上層部に登用するためのツールを導入できたとしても、偏った認識でその女性の業績を評価してしまう可能性は高いのです。

リーダーシップにまつわる悩み

リーダーシップと好感度は、男女どちらにとっても相反するものであってはなりません。

では、このジレンマをどう解決すればいいのでしょうか。

無意識のバイアスの治療法を提示できればいいのですが、そんなものがあるとは思いません。

しかし、固定観念を崩し、リーダーとは何か、女性とは何かを再定義することは必要です。

もちろん、これは何世代もかかるであろう長期的な解決策ですが、重要な一歩です。

私たちは声を上げる必要があるのです。
ジェンダーバイアスを目撃したら、声を上げましょう。

女性のスキルや能力よりも、外見や性格についてなされる言及に疑問を持つことです。

そして、私たちは、もっとスピードを落とす必要があります。

自分自身を疑ってみてください。安直な判断を考え直してください。

その女性が本当に重要な理由で私を悩ませているのか、自問自答してみてください。

そして、女性の皆様、できることなら好感度のことは忘れてください。

その代わりに、素晴らしい存在になることに集中しましょう。

女性リーダーとは何かという固定観念を再定義するような、賢く、思いやりがあり、事実上のリーダーになりましょう。

私はこれまで、自分がどう見られているかを気にして、多くの時間を無駄にしてきました。

質問攻めにしたら、喧嘩腰だと思われないか?

誇りにしている成果を話したら、私はうぬぼれていると思われるだろうか?

しかし、私は家族、友人、同僚に認められたいし、認められたいのです。

多くの人がそうであるように、私も好かれたいと思っています。

私は、女性が有能で好感が持てると認められる日が来ること、そして、性別に関係なく、それぞれがもたらすユニークな貢献に対して、お互いを評価し合える日が来ることを願っています。

そうなれば、好かれることを心配する必要がなくなります。私は私でいられるのです。

ぱんだぱんだ

まとめると、女性はリーダーに向いていないという無意識の偏見が、実際に女性をリーダーの立場に就けなくしているということですね。でもこれ、被害妄想も入ってませんか?


まさぽんまさぽん

まあ刃に衣着せぬ物言いをすると、女性は若くて美人な時は無条件に評価されるし、そのほとんどは外見に関するものだけど、歳取るにつれてそうした称賛は減っていく。じゃあ何で承認欲求を満たすかと言ったら、実力主義社会で「自分も男性並みに仕事ができるんだぜ」ってことを示す方向に走るんだ。


かわうそかわうそ

その時にジェンダーバイアスがあると思うように仕事を軌道に乗せられなくてストレスだってことですね。


まさぽんまさぽん

そうそう。でも男性でもストレスや圧力はあるから、扱いの悪さは別に女性に限った話ではないのよ。この人もジェンダー云々の活動で生計を立ててる割には、実際の企業内の評価に関する具体的な話は出てこないしね。本当に有能な女性なら、若い頃から才能を評価されているし、何らかの頭角を表しているよ。


ぱんだぱんだ

これ系の人って、文句を言うことが仕事だって勘違いしてるフシありますよね。それも大多数の潜在意識にあるものを言語化するわけでもなく、単に自分に都合の良い意見を自分目線で語ってるだけだったり。


まさぽんまさぽん

だいぶ辛辣にはなるけど、この人が男性だったとしても、たぶん社会で評価はされていないと思う。根本的なマインドがズレてる。


かわうそかわうそ

でも、出産を経た女性が思うようにキャリアを積み上げづらいのは確かですよね……何とかならないんでしょうか?💦


まさぽんまさぽん

若い頃から将来を見越して専門性を高めるとか、受け身ではなく主体的にアクションを起こすとか、そういう工夫をサボらずにやるべきよ。そういう積み上げがないなら、今からでも大学に通うなりして専門性を高める工夫をしたり、ビジネスを興したりするしかない!男でも女でも、成り上がるプロセスは同じなんだよ!

リーダーをやりたくない女性の声

ここからは、女性でリーダーになりたくない、女性リーダーは嫌だと発言している人々の声を拾っていきます。

ぱんだぱんだ

男が主導権を握る職場で女がリーダーをやりたくないのは分かりますが、女社会でも女の人はリーダーをやりたくないものでしょうか?


まさぽんまさぽん

学生の部活とか生徒会なら女リーダーもたくさんいるし、必ずしもやりたくない人ばかりではなさそう。


ぱんだぱんだ

学生時代はいっぱいいましたけど。社会に出たら「リーダーやりたい」って女性の声は消えるんですかね?


まさぽんまさぽん

あるにはあるけど、男女とも「リーダーやりたい」って自ら希望する人に限って、リーダーの資質が欠けているって、ソニーの副社長が講演で言ってた。

「女性にリーダーは向いていない」と言う社会の声

引き続き、「女性にリーダーは向いていない」と言う日本社会の声を拾っていきます。

世界基準だと女性のリーダーもどんどん声を挙げるような流れがありますが、日本はまだそれを推進する環境は整っていなさそうですね!

ぱんだぱんだ

世界の動きと比べると、日本だけなんか妙なところでつまづいている気がしますが、この正体は何なのでしょう?


まさぽんまさぽん

日本はもともと海外のようなロジック重視の評価社会じゃなくて、馴れ合いと暗黙の信頼に基づく組織で社会が作られてきたから、欧米型の「リーダー」的な存在がそもそも合っていない説を推したい。あと、そもそも日本人は従業員満足度が世界一低いことがデータで示されている。


ぱんだぱんだ

ああ。日本では管理職に就いたところで給料の手取りが増える訳でもないですしね。単純にリーダーになることへのインセンティブがないだけということですか。


まさぽんまさぽん

「リーダーになったら年収1億円!」ってニンジンをぶら下げれば、男女無関係にやりたい人でごった返すと思うよ。笑

まとめ

今回は、海外情報などを参考にして女性のリーダー論について解説しました

明確な意思表示や、責任を取る度量の広さ、および先の先までを見通す眼力など、リーダーシップの素養についてはハッキリとした男女差があるわけではありません。

ただ、女性の場合は育休や産休で一時的に社会から離脱する人が多いため、その時点でキャリアが閉ざされてしまい、雇用の流動性が低い日本社会では管理職になりにくいというのが一般説です。

また、管理職のみならず、スタートアップの起業家の数も、全世界で男性が多数を占めています。

女性の場合、リスクを負って1から道を切り開くよりも、既に構造化されている組織の中で自分の素質を活かした働き方をすることで、充実感が高められるのかもしれません。

とはいえ、女性が活躍しやすい産業(美容・服飾・健康・育児・医療・福祉デザイン関連など)では、やはり女性の方が優位な面も多々あります。

ちなみに通訳は男女比で明確な差があり、女性9割、男性1割というデータがあります。

通訳と言っても同時通訳からウィスパリングまで幅広い職種に分かれますが、言葉を扱う仕事は「聞き取りやすさ」や「臨機応変な対応力」という面では、女性に分がある職業だと言えるでしょう。

大組織のリーダーとは言わずとも、ある程度以上の裁量権を持って働くことを望む方であれば、いずれ世界を見越して語学はやっておいて損はありませんね。

英語を本気で習得したいなら

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時には厳しい試練もありますが、真剣に取り組めば乗り越えられない壁はありません。

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では、最後までお読みいただき、ありがとうございました。