花鳥風月を外国人に説明するには?

 

我が国、日本には四季があり、
それぞれの季節で豊かな自然を見られる
素晴らしきモンスーン気候です。

 

世界には1年中、常夏で明るい国もあれば、
1年中、天気の良くない国もあれば、
1年中、雪が降っている国もありますが・・・

 

そんな中での我が国・Japanは贅沢にも、
四季折々の光景を楽しめるだけでなく、
温泉、海、紅葉、雪国、砂丘、花畑などなど
あらゆる自然を楽しめるのが強みですよね。

 

 

というわけで今回は、

「花鳥風月」って英語でどう言うの?

をテーマに、ブログ記事を更新したいと思います。

 

 

花鳥風月の意味とは?

 

僕らが適切な英訳をする際には、
まず自分自身が正しい日本語の概念を
頭に入れておく必要があります。

 

「花鳥風月」の意味するところは、
自然の美しさであることは事実なのです。

 

が、そこに含まれる「風流心」が
日本語と英語ではだいぶ異なるんですよね。

 

 

たとえばかつて夏目漱石は、
“I love you” を「月が綺麗ですね」
と訳したことがあります。

 

また、同じ “I love you” を
二葉亭四迷は「私、死んでもいいわ」
と訳したと言われています。

 

つまり、日本人は物事をストレートに言わず、
昔から自然と一体化した優美な感性を活用して、
腹に抱えた本音を伝える国民性なわけです。

 

 

「思ったことを直接的に言わない」のは
主に京都の人々に代表されがちですが、
日本人なら誰でも共通する性質と言えるでしょう。

 

それゆえ、「花・鳥・風・月」に
込められた古来からの日本人の感性にも、
何か特別なものが宿っているに違いありません。

 

 

和歌から学ぶ花鳥風月

古来から、日本人は “和” の国民性で、
数々の歌や詩を作ってきました。

 

単なる事実や願望を記した和歌も多いですが、
花鳥風月をテーマにした和歌も多いです。

 

たとえばこういうのはどうでしょう。

 

 

いにしへの 奈良の都の 八重桜

けふ九重に にほひぬるかな

 

【現代語訳】

昔の奈良の都の八重桜が(献上されてきて)、
今日、京都の宮中に一層美しく咲きほこっていることですよ。

 


 

春の野に 鳴くや なつけむと

我が家の園に 梅が花咲く

 

【現代語訳】

春の野鶯が鳴いているよ。その鶯を引き寄せようと
我が家の庭に梅が花を咲かせている。

 


 

秋来ぬと 目にはさやかに 見えねども

風の音にぞ おどろかれぬる

 

【現代語訳】

目前の景色を見ているだけでは、
「秋が来た」とはっきりわからないけれども、
吹く風の音を聞くと、さすがに秋であるなあと
感じられることである。

 


 

見る人に 物のあはれを しらすれば

やこの世の鏡なるらむ

 

【現代語訳】

見る人に「もののあはれ」を
知らせるとすれば、
月はこの世の鏡なのだろうか。

 


 

・・・一見すると、
英語学習とは無関係のように
思えるかもしれませんが、

 

実はこういった「古文」から
僕らの日本人としての心の源泉を
知ることができるのです。

 

 

花・鳥・風・月というそれぞれの要素から、
時代を超えた我々の日本人としての感性が
「共鳴」するわけですね。

 

大昔、ふとした時に詠んだ唄が
現代人にもなんとなく伝わるのですから、
言葉には特別な情感が乗ります。

 

そうした抽象感覚を踏まえつつ、
僕らはその感覚を上手に英語に訳す作業を
誰もが無意識で実行しているのです。

 

 

色んな歌手も「花鳥風月」を曲にしており、
そのニュアンスを適切に表現していますが、
それこそアーティストの仕事と言えます。
(ちなみに僕は真っ先にケツメイシが出てきます。笑)

 

日本語から英語に翻訳する際には、
あたかも「楽曲」や「絵画」を作るように
右脳で感じた美しさを “ありのまま” 表現しなければなりません。

 

何かを作る職人を描いた浮世絵

 

そういった意味では、
僕らが目指す「一流バイリンガル」の姿も、
ある種のアーティストだと言えるでしょうね。

 

僕も普段から文章を書いていますが、
どうすればもっと感覚を正確に伝えられるかを
常日頃から磨いていたりしますが、
“たった一言” にかなり敏感になりがちです。

 

 

・・・日本語を英訳するというのは、
ただ単語だけを当てはめれば良いわけではなく、
裏で膨大な情報処理がなされているんですよ。

 

 

英語で学ぶ「花鳥風月」

 

本記事を書く前に、Google検索で
「花鳥風月 英語」と入力すると、
真っ先に出てきたのがこの画面でした。

 

google翻訳で花鳥風月を訳してみた

 

 

・・・どう思います?この訳。

 

 

・・・“flower bird” ってなんだよ!!!😤

ただ「花と鳥」を英語にしただけだろうがよ!!

 

 

・・・って、
僕はツッコミを入れたくなりました(笑)

 

 

機械翻訳を否定したい訳ではなく、
日本語の奥深さと、翻訳業の難易度の高さ
敬意を払っているわけであります。

 

ただ訳すだけでは、何も伝わらないので、
いわゆる「粋」な感じをどれだけ出すかが、
翻訳家の手腕であるとも言えるでしょう。

 

花が咲く枝にとまる鳥

 

つまりはそれだけ、日本語の美しいニュアンスを
文化背景の異なる多言語に訳す際には
細心の注意を払う必要があるわけですね。

 

また、この下にちっこく表示されている
“beauty of nature” というのは、
直訳すると「自然の美しさ」となりますが、

 

この言葉からは、どちらかと言うと
エアーズロックの壮大な山脈だとか、
ナイアガラの巨大な滝みたいなものを
(あくまで個人的にですが)想像してしまいます。

 

雄大なエアーズロック

 

 

日本における花と鳥、風と月というのは
単なる “自然の美しさ” というだけではなく、
極めて繊細な情感が含まれています。

 

かつ、そうした細部に宿る神秘性に、
外国人たちは惹かれているのですから、
僕らも適切な訳文を考えなくてはなりません。

 

 

なので、たとえば “beauty” の代わりに
“wonder(神秘性)” を使って、
“wonders of nature” としてみるとかも、
ひとつの手ではありますね。

 

しかし、実際に花鳥風月のニュアンスを
なるべく正確に出すためには、
もうちょっと複雑な英語になりそうです・・・。

 

 

ある人は、こんな訳し方をしています👇

 

traditional themes of natural beauty
in Japanese aesthetics

(直訳:日本の美学における伝統的な自然の美)

 

 

またある人は、このような訳し方をします👇

 

artistic pursuits
involving nature themes

(直訳:自然をテーマとした韻事)

 

 

こんな訳し方をする人もいます👇

 

The beauties of nature with full of flowers, birds, winds and moon is the refined elegance of nature and moving to human mind. I would like to live with surrounded by full of flowers, birds, winds and moon, we called this refined elegant.

(直訳:花と鳥、風と月に満ちた自然の美は洗練された優美さあり、人の心を動かすものだ。私は花・鳥・風・月に囲まれて生きていたいが、我々はこれを “洗練された美” と呼んでいる。)

 

 

・・・😅💦

 

 

・・・というわけで、
追及し始めるとキリがないのですが、
翻訳作業が「芸術」に近いことを
実感して頂けたのではないかと思います。

 

翻訳も芸術も、何でもアリっちゃアリなのですが、
そのプロセスで膨大な葛藤を抱えつつ、
どの要素を取捨選択するかを決めるためには、
かなりのエネルギーを消費します。

 

 

そういう意味で、今回のような
「花鳥風月」に代表される日本の心を
欧米人に理解してもらうのは、
なかなか一筋縄ではいかない気もしますね。

 

ただ、ここまでのプロセスを踏まえたうえで、
敢えて花鳥風月を “natural beauty” と呼ぶなら、
情報が凝縮されているので、大丈夫かなと。

 

 

英語学習は心を豊かにする

 

日本を日本人の視点だけで眺めるより、
海外からの視点で見つめ直すと、
色々と新しい発見があります。

 

「令和」という時代名の元ネタも、
万葉集の一節から抜き出されていたりと、
日本人に古くから続く感性というのは
今もなお、世代を超えて受け継がれています。

 

 

そんな中で、僕らが外国人と接し、
日本文化を上手に英語で説明してみる時は、
日本の心」を再発見する好機ですよね。

 

自身の心に深く眠っていたような、
忘れかけていた “大切な感性” を
英語学習をきっかけに発見できたならば
それは心を豊かにすると言えるでしょう。

 

 

 

 

今回の記事は妙に生真面目な内容でしたが、
そうせざるを得なかったのです。

 

自分で文章を書いているうちに、
何かが「乗り移った」ような気がして、
それに従わなければ!という感覚でした。笑

 

 

僕らが英語を使う時は、
常に「日本語の感性」との葛藤を
乗り越える必要があります。

 

たかが英会話、されど英会話。

 

語学を極めるのって、
けっこう、奥が深いのですよ・・・・。

 

 

人生の壁・突破文法とは?


英語を自由に使いこなせるようになって、
豊かで快適な人生を送りたい・・・。

以前はそのようなビジョンを、
このブログの著者(英会話の伝道師・まさぽん)も
胸に抱き続け、努力を重ねてきました。

 

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